中山もと 著
『稿本天理教教祖伝』の解説書と言える本書は、天理教教会本部婦人である著者が平成5(1993)年5月から平成8年5月にかけ、5回にわたり天理教婦人会機関誌『みちのだい』に掲載したものに加筆、教祖ご誕生200年(平成10・1998年)を記念して出版されました。
全巻を通じて、教祖伝に記されている、信仰実践の目標・手本となる教祖(おやさま)の道すがらについてが、著者の悟りを交えて分かりやすく説明されています。読む上での留意点を示しながら、図表を用いて年代順に丁寧に解説。文章も読者に語りかけるように書かれ親しみやすいものになっています。本書は教祖がたすけ一条の道を通られる上で起こった、さまざまな出来事を整理・理解するのに役立つ一冊です。
また、本書には、教祖がお示しくだされたひながたを、できるだけたくさんの人たちに伝え、陽気ぐらしの世の中を実現するための手助けをしたいという著者の思いがあふれています。著者は、人間を陽気ぐらしへと導く方法は、おつとめを勤めることとおさづけを取り次ぐことで、それはたすけ一条の道を通るための車の両輪であり、私たちが日々実践しなければならないことであると強調し、さらに、親心を末代まで忘れないようにと、「おふでさき」を読むことの大切さも説いています。
教祖伝は、私たち一人ひとりが教祖の道すがらを知り、たすけ一条の道を通るために編纂(さん)されています。本書は、その道を誤ることなく通らせていただくための手引きとなるでしょう。
A5判上製/464ページ