「みかぐらうた」「おさしづ」とともに、天理教の三原典である「おふでさき」。本書は、天理教校本科の講師を務め、天理教敷土(しきと)分教会長である著者が、「おふでさき」を深く読み込むためにはどうすればいいのかを具体的につづったものです。
澤井勇一 著/四六判並製/240ページ
内容紹介
「みかぐらうた」「おさしづ」とともに、天理教の三原典である「おふでさき」。
本書は、天理教校本科の講師を務め、天理教敷土(しきと)分教会長である著者が、「おふでさき」を深く読み込むためにはどうすればいいのかを具体的につづったものです。
「文字によりながら、わたしたちは、原典を読ませていただくのです。けれども、その文字、ことばの背景というものを読み取らせていただくことが大切ではないか、と思います」(本文から)。
著者はまず、三原典の位置付け、成立の背景、そこに込められた親心を探ります。同時に、「おふでさき」が公刊されるまでの歴史にも触れています。
先人たちは官憲からの圧迫、干渉の中、身を挺(てい)して「おふでさき」を守ってこられました。現在の私たちは、いつでも簡単に手に取り拝読できるため、ともすればあまりの身近さに、そのありがたさを忘れがちです。著者は「ふでさきというは、軽いようで重い。軽い心を持ってはいけん」という「おさしづ」を例に出し、「おふでさき」を拝読する際の心構えを説いています。また、後半では具体的な読み方について説明。おうたの区切り方やたとえについてもわかりやすく解説しています。
本書は「おふでさき」の世界をより深めてくれる一冊です。この本を読むことで、「おふでさき」の"重さ"を再認識できるのではないでしょうか。
目次
第一回 原典と、その位置
- はじめに
- 家庭に『おふでさき』を
- 「いま」というとき
- 「昼の暗がりは通れん」
- 原典と、その位置
- 「原典」ということば
- 原典と教典
- 「原典にあたる」
- おふでさき――「話の台」
- 明治16年のふし
- 昭和3年に公刊
- みかぐらうた――「理の歌」
- 「かぐら・てをどり」
- 明治21年に公刊
- おさしづ――「旬を外さんため」
- 『おさしづ改修版』下付
- 諸宗教の聖典の成立
- こふき話――「理の話」
- 話としての仕込み
- おふでさき、みかぐらうた、おさしづ
- いま、だれでも原典を手に
第二回 原典成立の背景
- はじめに
- 神のことば
- 目次は全体のすじみち
- 原典にさかのぼる
- 原典成立の背景
- 口に筆に、「ひながた」に
- 「みち」ということば
- 通りぬけ、越えていく
- 世の中がみえる
- 『おふでさき』の「あくじ」
- 「わがみにしりたものハあるまい」
- 「要々の言葉」
- 「難儀なる者の味が分からん」
- 50年の「ひながた」
- 立教から20年30年
- 「家の毀ち初めから」
- 「世界のふしんに掛る」
- 陽気ぐらしの道
- 「あんな阿呆は無い」
- 「口に言われん、筆に書き尽せん道
- 「話を楽しませ/\」
- 原典成立の背景
第三回 神・月日・をや
- はじめに
- ひとつの体系として
- 神・月日・をや
- 『おふでさき』にあらわれた親心
- 『おふでさき』筆録の順位
- 「神・月日・をや」
- 説話者「神」
- 「をかみきとふでいくてなし」
- 宗教的であるということ
- 説話者「月日」
- 説話者「をや」
- 子どもの成人に応じ
- 「順序」ということばに
- 目にみえないところの「ふしん」
- 「順序」というポイント
- 朝起き・正直・はたらき
- 「まこと」のこころ
- 「はたはたを楽させる」
- 『おふでさき』をご執筆
- 『おふでさき』の著者は
- 「筆、筆、筆を執れ」
第四回 おうたの区分と譬
- はじめに
- 「言葉一つという」
- おうたの区分と譬
- 言葉と譬
- おうたの区分、区切り
- 『おふでさき』の号外
- 『おふでさき』の正冊、外冊
- 外冊の著作日付
- 「水にたとゑてはなしする」
- 譬とおうたの区分、段落
- 「すむ」と「にごり」
- 「すいのとすなにかけて」
- 「ほこり」というのは
- 「あしきのものハさらにない」
- 「ほこりさいすきやかはろた事ならば」
- 「みちにたとへてはなしする」
- 「とふりぬけたら」
- 「ひながたの道を通らねば」
- 「大層やない/\」
- 「ぼち/\行けば」
- 目にみえる世界と目にみえない世界
あとがき
引用文献資料索引