道友社 編
天理教の月刊機関誌『みちのとも』の昭和62(1987)年4月号から平成12(2000)年5月号までの約13年間にわたり連載され、親しまれた女性によるエッセー「あら珠のうた」。本書はその中から23編を選び、一冊にまとめたものです。
本書では、さまざまな立場のお道(天理教)の女性たちが、家族、教育、信仰、社会といったテーマで、それぞれに抱える思いをつづっています。その一話一話からは、お道の女性ならではの温かさ、優しさ、明るさ、そしてたくましさが感じられます。
「タイトルの“あらたま”には、“新玉の”という意味と“荒玉”という意味があります。前者は『年・月・日・春などにかかる枕詞(まくらことば)』、後者は『掘り出したままの磨かれていない玉』。春は新たな始まりを告げ、掘り出したままの原石はまだ見ぬ未来を予感させます。23人の女性が初心に戻って語った23様のストーリーは、きっと心に新鮮な喜びの種をまいてくれることでしょう。その芽が育ち、いつか大きな喜びの花として咲くことを願ってやみません」(「はじめに」から)
表紙の絵を深谷いずみさん、挿絵をおけむらはるえさんが担当、内容とともに温かい印象を与えています。読後にほっこりとする本です。
A5判並製/120ページ
目次
家族
- 陽気に生きた母の教え―――鈴木佐代子
- ときには冷や汗して母子問答―――上原順子
- 親子で「お道の話」を―――阪倉よしえ
- 老いを迎えるとき―――芦田京子
- 悔いてこそ―――元林矩子
女性
- 人に好かれる笑顔の女性に―――西和田ヤスハ
- 娘の結婚―――細谷由紀子
- 道の女性の結婚観―――河原恵子
- 看護ようぼく―――土田美奈子
信仰
- 七夕蛍―――谷本妙子
- 笑顔を運ぶ子供たち―――島恵子
- 年の暮れに思う―――川上美也子
- おさづけという名の宝―――原田陽子
- 修養科を修了して一年―――中西和子
教育
- いまどきの若い者も……―――氏家昭代
- 四十六歳からの再出発―――八ツ橋孝江
- 語り継ぎたい自然と共にある暮らし―――三宅美穂子
- 同じ屋根の下で共に育ち合うとき―――池田洋子
世界
- みんなが健康な日々を過ごせるために―――坂上満智子
- 野山を歩く楽しみ―――藤江美幸
- 私なりの国際交流―――宮野きよ江
- 「一つの花」が語りかけるもの
- 心の時代―賢治に学ぶ―――鈴木もと子