道友社 編
本書は、平成10(1998)年5月から平成11年末まで、『天理時報』に掲載された同名の連載を一冊にまとめたものです。
近年、児童虐待、青少年の凶悪犯罪、ストーカー殺人にドメスティックバイオレンスなど、今までの常識では理解できないような事件が、連日マスコミをにぎわしています。そして、事件が起こるたびに、その背景として、人間関係のあり方や心の問題が指摘されています。
連載は、そうした中で、お道(天理教)を信仰する私たちに何ができるのかを問うもので、“心の病に対する「正しい理解」と「支援」”をねらいとしています。いわゆる「心の病」と言われるものを1つづつ取り上げ、精神医学や臨床心理学などの専門家へのインタビューをもとに構成、現代のおたすけに必要な知識と手法の一端を紹介してきました。
本書は2部構成となっており、第1部は「?乳幼児期・児童期」から始まり「思春期」「キレる子どもたち」「モノ化する少女」など、年齢や立場における心の問題が15項目、挙げられています。第2部では「酒害」「薬物依存症」など、深刻化する諸問題が14項目にわたってリポートされています。
「あとがき」には「本書が、おたすけの現場に立つ方々の一助に、また身近に心を病む人を持つ人々にとって多少なりとも役に立てていただければと念願している」とあります。表や図式、写真などを多く用い、分かりやすく読みやすい内容になっていますので、ぜひ、手元に置いていただきたい一冊です。
A5判並製/220ページ