永尾隆徳 著
新聞の一般紙の顔は、１面下のコラムだという人がいます。天理教の週刊機関新聞『天理時報』なら、それはさしずめ２面下のコラム、「和楽」です。本書は、平成11（１９９９）年１月から12年３月にわたって掲載された「和楽」をまとめたものです。
日常の身近な出来事やニュースを主な題材として、信仰的なものの見方を交えながら、800字の小話を作り上げるのは、なかなか簡単にできるものではありません。それも週刊紙である『天理時報』紙上に、著者は１人で１年余りにわたり、健筆を振るってきました。
著者は天理教教会本部の本部員で、天理教西陣大教会４代会長。これまで道友社の社長や韓国伝道庁長など、要職を歴任しました。
著者の豊かな教養と熱い信仰でつづられた一文一文は、まさしく『天理時報』の顔。また、毎週、目を通すだけでは内容はすぐに忘れてしまいがちですが、一冊の本となり、それぞれにタイトルが付けられると、一つの流れのようなものが感じられます。著者が、どのような思いでつづったのか、何を伝えようとしているのかが分かってきて、実に味わい深いものとなりました。
長い間文書伝道の上に尽力した著者だけに、文の運び方やテーマの選び方は、読み手の心を大いに引き付けます。教会報などの執筆に悩んでおられる教会長さんにも、大いに参考になることでしょう。
四六判並製／132ページ
