二宮勝己 著
本書は、26歳で単独布教を志し、5年にして教会を設立した著者(天理教瀬戸路分教会初代会長)の、にをいがけ・おたすけに勇んで通った半生を記した書です。
著者は9歳の時、筋肉炎という大病で危篤状態に陥ります。そのとき、母親の「この子を人だすけのために神様の三方にのせます」との心定めによって、死のふちからよみがえりました。その後、著者は中学校を卒業すると大教会の住み込み青年となり、結婚後はすぐに単独布教へと旅立ちます。そして、おたすけに、丹精にと、夫婦二人三脚で体当たりの求道生活を送り、教会を設立。さらには、そうして寄り集った多くの人の真実で、新しい神殿が建ちあがっていきます。
本書は昭和52(1977)年の刊行以来、26年を経て復刊となりました。「再刊あとがき」の中で、70歳となった著者は4半世紀前を振り返り、「あのころの、ひと筋に道を思うひたむきな心と、いま、広く世界たすけにつとめる私の心が、『変わらぬが誠』とお教えいただくように、まったく変わっていないことが何よりも嬉しい」と記しています。
まさに著者は今も“この道ひとすじに”の道中なのです。本書は、お道(天理教)の信仰者にとって大きな心の糧となり、さまざまなことを教えてくれるでしょう。
四六判並製/240ページ