井筒正孝 著
天理教黒石分教会前会長で、教内で長年健筆を振るってきた著者の、初めての単行本です。
本書は、次の5章からなっています。第1章「こころの木」、第2章「こころの光」、第3章「こころの泉」第4章「こころの風」、第5章「こころの森」。この中に53話が収まっており、1話が平均5ページほどと、短い時間で読める手ごろな長さになっています。
内容は幅広く、親子、夫婦の問題はもとより、臓器移植、延命医療、介護などの社会問題、教祖のお言葉などが平易な言葉で語られています。教壇に立っていた著者だけに、特に教育問題に関しては鋭く、説得力があります。
著者は、前文を「読者の皆さまにお願いがあります。この本を最初から最後まで一気に読もうとしないでください。きっと飽きてしまうでしょう。一日の忙しさから解放されて『ちょっとお茶でも』とくつろいだときに、どっからでもいい、たった一編を読んでいただけませんか。そして考えてほしいのです。あなたのご意見を」と結んでいます。
涙なしには読めない感動的な話、思わずほほ笑んでしまうユニークなエピソード、腕組みをして考え込まざるを得ない現代ならではの深刻な社会問題など、盛りだくさんの内容のエッセー集です。
四六判上製、304ページ
目次
はじめに
第一章「こころの木」
- 木の根
- 育ての達人
- ナース一年生諸君!
- 桜の季節
- 聞き上手になりたい
- 鈍行列車の旅
- 「嫁ッコいねえが」
- ああ結婚式
- 親孝行懺悔録
- 介護のご褒美
- 「父と子」ニ題
第二章「こころの光」
- 〝これくらい病〟流行
- 勉強しませんか
- 袖の中の花園
- 〝札チン族〟物語
- 引き出す力
- あなたはどんなお母さん?
- 蟹にアテられた夜
- 名人の妻
- 「迷惑をかけるな」でいいのか
- 〝お迎え〟が来たら
第三章「こころの泉」
- 魔法の日記
- 言葉のひながた
- 鼻毛の逆襲
- ずぼら遺伝子
- 美柚ちゃんの絵本
- ばあさんの力
- 家なき子
- 真夜中のチゴイネルワイゼン
- 夢は正夢
- 教祖ならば
第四章「こころの風」
- 仙田善久先生
- 親神様からのメール!?
- 人間共通の地下水脈
- 存在するという役割
- ある夏の朝
- ひと言の声がけ
- かけがえのない日々
- 地球を見たのか
- 病気は語る
- バールフレンド
- リンゴの気持ち
第五章「こころの森」
- まさ奥様の笑顔
- 四季の装い
- 奥会津・魚沼の旅
- もう一人の自分
- こわ~い話
- マヌケな泥棒
- ご守護か、誤診か
- 臓器移植を考える
- 祈るほかなし
- リーチング・ホーム
- あすなろのうた