芦田京子著
著者は、天理教芝白金分教会長夫人である芦田京子氏。全50編からなるエッセーのテーマは「親と子」。その背景には、生後わずかで生家に別れを告げるという「幼い門出」を経験した著者ならではの“心の遍歴”が投影されています。 本書は八章から成ります。冒頭の代表的エッセーに始まり、第二章からは子ども時代、青春時代を経てやがて結婚、母として妻として、また教会長夫人としての日々が、一本の糸に通した珠のように豊かな感性で綴られています。しかも、それはまた、「親子って何だろう?」という著者自身の問いかけに対し、その答えを見つける“半生の旅”とも言えるでしょう。 著者は「あとがき」にこう記しています。 「一人の人間のささやかな物語ではあるが、そこから普遍的な人間の営みを少しでも照らし出すことができれば」。そこには、痛ましい事件が多発する現代社会の中で、今、生きて在ることの意味を見つめ直してほしいとの著者の願いが込められています。 四六判並製/272ページ
著者紹介(本からの抜粋)
芦田京子【あしだ・きょうこ】
昭和29年(1954年)、京都市生まれ。同52年(1977年)、お茶の水女子大学卒業。同54年(1979年)、結婚。二男一女の母。教内出版物『さんさい』『はっぴすと』『みちのとも』『人間いきいき通信(天理時報特別号)』などに執筆。