大畑 道雄 著
少年たちの更生は 食卓を囲むことから始まる
親から見放され、大人への不信感を抱き、 自分の存在すら否定する少年たち。 必死に立ち直ろうとする彼らに家族団欒の喜びを味わわせ、 懸命に寄り添いつづける教会家族の物語。
『天理時報』連載(平成25~29年)「非行少年とともに――『補導委託』30年の歩み」待望の書籍化!
ある少年は、教会へやって来て初めて外出するときに「ただいま」と言った。しばらく様子を見ていても、毎回「ただいま」とあいさつして出ていく。
「行ってきます」と言って家を出た経験がなかった少年は、教会へ預けられた際に「出かけるときは何か言うはず……。 たしか『ただいま』だ」と思い、何も知らないまま使い続けていたという。
(本文から)
(本文から)
【目次から】
“誰かの役に立つ”が生きる力に“更生の道”は愛情弁当から
愛情あふれる夏のおぢばへ
子を思う親の気持ちこそ
「良いときは連絡してくるな」
“家族団欒”の姿を社会へ
大人って意外といい人かも……
たむろする若者に声をかけ
幸せを感じる源は感謝の心
家族の一員になれたとき
「怖い子」から「優しい子」に
いつでも、ずっと待っている
……ほか
【著者プロフィール】
大畑道雄(おおはた・みちお)昭和15年(1940年)、東京都生まれ。同36年、天理教校専修科卒業。同60年、家庭裁判所の補導委託先に登録、少年の受け入れを始める。平成2年(1990年)、本導分教会3代会長に就任し、現在に至る。
新書判並製/184ページ