内容紹介
「天理教とは何か」など、布教していく上で大切な点を、教典に依拠し、答えを明らかにする。
西山輝夫 著
ISBN-10 : 4807300741 ISBN-13 : 978-4807300747 B6判並製 266ページ
【天理教とは 上巻】はコチラ昭和四十年のはじめから「天理教とは」と題して、天理時報紙上に発表した文章の後半をまとめたのが下巻である。
下巻は、天理教教典第六章から第十章までの後編に依拠して論述をすすめた。
これは「天理教とはこういう教えである」と人に説明するためにかいたものではない。
筆者が、おのずとこういう形になったものである。
いわば事故対話の所産といえる。
執筆をはじめてから四年近い時日が経過している。
この間、筆者の教理に対する理解の仕方は、ほどんど原型をとどめぬほど変わってしまった。
その意味で、現在の私の力量としては全力を尽くしたつもりであるが、これでよいという気はさらさらない。
今ようやくにして教理の入口にたどりつくことができたという、ほのかな希望を感じることができたというのが、正直な感想である。
下巻では、天理教の社会観念と労働観について一章を設けるつもりであった。
そして実際に研究をし、大体をまとめたのであるが、確かたる方法論を樹立しないままに、私説の性格をまぬがれない内容のものを発表することは、かえってよくないと思われたので、ここに収録することはさしひかえた。
いずれ何らかの見通しがつくようになったら発表したい、というのが、私の次の希望である。
本書では単なる問題提起もしくはヒントだけ終わった部分が少なくない。
限られた紙数ではそれしか方法がなかったのである。
また根拠となる文献をあげることも一切していないが、これは読みやすいということを第一に心がけたためである。
【目次】
第八章 親神と人間の交わり
- 目に見えぬ神
- 人間の自然的状態
- 身上・事情は神のてびき
- 信仰と学者・金持ち
- 不思議の現れ
- 不思議が起こる条件
- 皆救かるのか
- てびきとていれ
- 人間とは何ぞや
第九章 かしもの・かりものの理
- この世は神の身体
- 生命の起源と作用
- 個性をきめるもの
- 使用するが所有ができない
- 心一つが我がの理
- 自由から自由自在へ
- 自由になるのは心だけ
- 心を澄ます方法
- この世の最適者に
第十章 生と死について
- 死の原因の考察
- 寿命と定命の問題
- 生と死の循環
- 極楽はどこにあるか
- 生まれ替わりの姿
- 魂の存在と不滅
- 生と死の理想
- 自殺・他殺その他
第十一章 天理教のものの見方・考え方
- 男は柱石、女は台
- 前生のいんねんで夫婦に
- 嫁は生まれた家に帰る
- 十五才までは親の心通り
- 親が子となり子が親となる
- 衣食住について
- 金銭はつなぎ・種
- 方策と生産の向上
- 二つの所有観
- 貧乏と富について
- 貧に落ち切ること
- 真に人間を生かす道
第十二章 信仰の歩みと要諦
- 信仰による変化
- 社会づくりの夢
- 一切を消化する心
- 心の価値ではかる
- 切る理・つなぐ理
- 悲しみから喜びへ
- 前生いんねんのさんげ
- 喜びの発見と表現
- 奉仕とひのきしん
- 神の前には欲はない
- 喜びの種をまく
- 心の入れ替えと誠真実
- 心の入れ替えの結果
- 社会の中で心を澄ます
- 真実に天のあたえ
- 成人途上の疑問
第十三章 よふぼくの誕生と教会
- 陽気ぐらしの用材
- 親神のよふぼく
- よふぼくと自由意志
- 成長のための試練
- 知ることと行うこと
- 別席とさづけの理
- さづけと医者・薬
- 倫理的価値の源泉
- よふぼくの条件
- 信仰集団の発生
- 教会設置の条件
- 教会本部の設置
- 教会存立の条件
- 世界の道と神の道
第十四章 陽気ぐらしの世界
- 神人和楽の境地
- 主観と客間の問題
- あの世とこの世
- 善と幸福の一致
- 皆と共に楽しむ
- 一つの心になる
- 最終的なビジョン
- 完全平等は実現するか
- 先回りの守護
- 新しい歴史の段階
- よふぼくの果たす役割
- 現段階の陽気ぐらし
- 一夜の間にも守護
【上巻の目次】
第一章 天理教のはじまり
- 立教の意義と目的
- 神の道と人の道
- 天理教は民族宗教か
- 天理教と他の宗教
- 人間が神をつくったのか
第二章 人間の苦悩の元
- 悩みと苦しみの原因
- 人類の夢陽気ぐらし
- 身上・事情は道の華
- マイナスからプラスへ
- 病気は神のてびき
- 神の近づく姿
- 教祖を信ずること
第三章 親神の救済
- たすけ一条の起源
- 人間の再創造
- つとめをする場所
- つとめ人衆について
- 悪しきを払う
- つとめの条件
- 珍しい守護とは
- 現段階の陽気ぐらし
- さづけと病たすけ
- 病たすけは低俗か
- つとめとさづけ
- さづけと誠真実
- 神も共に楽しむ
- 救済は末代まで
- 万人に及ぶ救済
第四章 ほこりといんねん
- 八つのほこりの意味
- 対立観念の起源
- ほこりの基準
- ほこりと心の自由
- ほこりと出直し
- ほこりといんねん
- いんねんは心の姿
第五章 元の理について
- つとめの理合い
- 元の理の目的
- 人間創造の目的
- 元の理の表現
- 神名と起源について
- 元の理と記紀の世界
- 人間のたねについて
- 人間創造の原地点
- 人間の子数について
- 人間成人の過程
- 元の理と天理教の立教
- 教祖魂のいんねん
第六章 親神の守護と支配
- 親神の所在
- 親神の存在様式
- 一神教か多神教か
- 十全の守護
- 秩序と調和の元
- 親神の支配と成立
- 善悪と規準について
- 動機と行為
- 根源と雛形・道具
- 生死も親神の守護
- 病気と生命について
- 十柱の神とつとめ人衆
- 親神・ぢば・教祖
第七章 教祖観と教祖のひながた
- 教祖と出会うとは
- 悟りと親神の啓示
- 教祖と本席とよふぼく
- 教祖成人論について
- 教祖は神か人か
- 誰のひながたか
- 神のやしき建設へ
- 価値観の大変革
- 神一条の筋道
- 形の面と心の面
- ひながたと禁欲主義
- 日常の生活規範
- 教祖身上せまる
- 教祖存命の理